ポリ塩化ビニル(PVC)

2007年2月14日

日本では第二次世界大戦後の1940年代後半から「ビニール風呂敷」でお馴染みになったプラスチックです。透明で本来は硬いプラスチックです。卵のパックケースなどがポリ塩化ビニルに近いといえます。
塩化ビニルというガスをモノマー(原料)として作られます。1933年にドイツで工業化された歴史の古いプラスチックです。ポリ塩化ビニルが正しい名称ですが、一般には「塩化ビニル」、「塩ビ」と省略して呼ばれることが多く、また英語の略号「PVC」も用いられています。
硬いポリ塩化ビニルに軟化させる成分を加えると、軟らかくしなやかなものができます。このようなポリ塩化ビニルを軟質ポリ塩化ビニルと呼んでいます。軟化させる成分を可塑剤と呼びます。添加剤の一種です。「ビニル風呂敷」も軟質ポリ塩化ビニルだったわけですが、日用品ではテーブルクロス、人形、かばん、サンダル、農業関連ではビニルハウス用のフィルム、食品関連ではスーパーで肉や魚をラップしているフィルムなど、幅広く使われています.また電線被覆や、壁紙、床タイル、ホ←スなどの住宅用品、血液バッグなどの医療用品も重要です。
一方、可塑剤を加えていない硬いは、硬質ポリ塩化ビニルと呼ばれており、酸素が通りにくいので、ボトルとして用いると内容物が比較的長もちするという特長を生かして、ソースや醤油、シャンプー、洗剤用などに使用されています。このほか、上水道や下水道のパイプ、雨どい、窓枠など、建材としても欠かせない存在です。
このようにさまざまな分野でポリ塩化ビニル製品が使用されているのは、硬いものから軟らかいものまで作れることに加えて、ポリ塩化ビニルがバランスの取れた物理的・化学的性質を備えているからです