レトルト食品とレトルト対応のアルミ袋
レトルト食品とは、気密性・遮光性のある容器で密封し、加圧加熱殺菌した食品のこと。一般には「レトルトパウチ食品」=フィルム素材とアルミ箔などの金属箔を張り合わせた素材でできたプラスチック袋に、半調理済みのカレーやシチューなどを入れ、密封包装した後、高温高圧のレトルト釜で殺菌した食品を指します。レトルトパウチ食品用の袋は、基本的に内側にポリプロピレン、外側にはポリエステル(PET)といった合成樹脂や、アルミの箔をラミネート加工したフィルムでできており、空気や水分、光を遮断し、内部の食品を密閉。長期保存が可能です。
食品表示としては遮光性の素材を使用したパウチ袋にのみ「レトルトパウチ食品」と表記することが認められています。
参考食品工業技術センターより
レトルト殺菌とは
レトルトとは「加圧加熱釜」を意味し、レトルト殺菌は包装された食品を加圧加熱釜に入れ、100℃以上の蒸気や加圧熱水により殺菌することを言います。
レトルト殺菌の条件は食品衛生法において「原材料等に由来して当該食品中に存在し、かつ、発育し得る微生物を死滅させるのに十分な効力を有する方法であること」、「そのpH が4.6 を超え、かつ、水分活性が0.94 を超える容器包装詰加圧加熱殺菌食品にあっては、中心部の温度を120℃ で4 分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法であること」と定められています。
これは耐熱性の高い芽胞を形成するボツリヌス菌を流通過程や保存中に増殖させないために必要な条件です。この菌は強力な毒素を産生するため、食中毒が発生した際、適切な治療を受けなければ致死率が30% を超えると言われています。
容器包装の規格は食品衛生法で定められています。その概要は食品の酸化を抑制するために遮光性を有し( 例外あり)、気体透過性がないものであることや製造時の加圧に耐えられることが必要とされています。また、流通過程や保存時において容器包装が容易に破損しないように圧縮強度、熱封かん強度、落下時の強度についても定められています。
実際に使用されている包装素材には、遮光性とガスバリアー性に優れたアルミ箔やアルミ蒸着フィルム、ガスバリアー性に優れたポリ塩化ビニリデンやシリカ蒸着フィルム、強度に優れたナイロン、ポリプロピレン、ポリエステルフィルムなどがあります。このような特性の異なる包装素材をラミネート( 貼り合わせ)することで、厳しい生産・流通・保存に耐えることができるようにしています。